2011年7月15日 (金)

小規模宅地等(石塚孝一)

相続税の重要なポイントの1つとして、小規模宅地等があります。

小規模宅地等とは、居住用のマイホームや店、工場など事業用の土地で、一定規模以下のものをいいます。

こうした資産は、相続人の生活や事業の基盤となるもので処分もしにくいという事情があります。

この制度は、これらの点を配慮し1983年に設けられた特別措置で、相続開始の直前において、被相続人や被相続人と生計を一にする親族の事業用や居住の用に供されていた宅地、国の事業のために使われていた宅地などについては、一定面積までの部分に限り、通常の評価額から一定割合を乗じた分を減額できる扱いになっています(租税特別措置法69条の3)。

一般にこの特別措置は、小規模宅地等の評価減の特例などと呼ばれています。

評価減の対象となるのは、200平方メートル(事業用は330平方メートル)までの部分とされています。

ABCと複数を持っている場合には、要件さえ満たしていれば、たとえば、Aで50平方メートル、Bで50平方メートル、Cで100平方メートル、合計200平方メートルといった適用を受けることも可能です。

石塚孝一(遺産相続の法律家)



2011年6月21日 (火)

贈与税の課税(石塚孝一)

贈与税額は、贈与を受けた年ごとに算出し、納付することになっていますが、税額算出のもととなる課税価格は、本来の贈与財産にみなし贈与財産を加え、非課税財産を引いたものとなります。

みなし贈与財産とはみなし贈与財産にはどのようなものが定められているのでしょうか?

贈与した、贈与を受けたという意識が薄いだけに、後から高い贈与税がかかり、あわててしまうケースも少なくありません。

贈与で比較的よく発生する問題としては、以下のようなものがあります。

保険契約

保険料の負担者(たとえば、保険料の引き落とし口座の名義人)と受取人が異なる満期保険金、保険料の負担者が保険金受取人や被相続人以外の者である死亡保険金については贈与とみなされます。

このような契約の場合には、保険料贈与のかたちで保険料負担者を受取人に一致させるか、受取人の変更手続きをするなどの対応をとるようにします。

名義変更など親から子に対価の授受なくして財産の名義変更が行われたような場合など、新しい名義人となった者が、従来の名義人からの贈与によって財産を無償取得したものとして、贈与税が課税されます。

また、不動産や株式などを購入した場合に、購入者本人以外の者の名義とした場合などにも、原則として、その名義人に対して贈与税が課税されます。

石塚孝一(法律家)

2011年6月14日 (火)

贈与とは(石塚孝一)

贈与とは、「あげます」、「もらいます」という贈与者(贈与をする人)と、受贈者(贈与を受ける人)との合意によって成立する契約の一種です(民法549条)。

そして、こうした贈与契約にもとつく無償の財産取得に対して、相続税法の規定にもとづき課せられるのが贈与税と呼ばれる税金です(同法2条の2)。

相続税が相続を原因とした財産の無償取得に対し課される税金であるのに対し、贈与税のほうは、契約関係にもとつく財産の無償取得を対象とした税金であるという点に特徴があります。

民法上、このような贈与契約の当事者となるのは、個人に限った話ではなく、会社や団体などが当事者となる贈与契約も当然考えられます。

しかし、贈与税という税金は、あくまでも個人から個人への贈与を原則的な課税対象とした税金です。

したがって、会社などが財産を受贈した場合には法人税の対象となり、みなし贈与などに該当する特殊な場合を除き贈与税の対象とはなりません。

また逆に、法人から個人が財産を無償取得した場合は、所得税(通常は一時所得)の課税対象とされますが、贈与税の対象とはなりません(相続税法21条の3)。

法律家・石塚孝一

2011年6月11日 (土)

案外身近な相続税(石塚孝一)

相続税は案外身近な税金です。

たとえば知らないうちに土地の評価額が上がっていて、多額の相続税がかかってしまうことがよくあります。

また、土地のほかにも株式、生命保険金、退職金などを合わせると、サラリーマン世帯でも遺産が1億円、2億円となることは珍しくありません。

相続財産の課税価格が1億円、相続人は配偶者と子ども1人として、配偶者が法定相続分を相続するケースでは、子どもには200万円ほどの相続税がかかるだけですみますが、たとえば子どもが全財産を相続するとした場合には相続税額は730万円とはねあがってしまい、たやすく払える額ではなくなってきます。

一般に相続対策といった場合には、節税といった観点からの相続税対策をイメージされる方が多いと思いますが、それだけではありません。

多額の納税資金をどう捻出するかという納税資金対策、また円満な財産分割をするための遺産分割対策などを合わせて行っておく必要があります。

石塚孝一(法律家)

2011年6月 7日 (火)

離婚による財産分与(石塚孝一)

不幸にして離婚という事態になると、通常は慰謝料や養育費、夫婦が協力して蓄積した財産の清算といった名目で、金銭などにより財産分与が行われます。

このような場合、受け取った慰謝料や、財産の清算部分については贈与税がかかってくるのでしょうか?

結論からいえば、財産分与などとして受け取った財産については、通常、妥当と思われる額であれば、贈与税がかかることはありません。

これは財産分与というものの性格によるもので、贈与契約にもとつくものではなく、財産分与請求権という特殊の請求権にもとつくものであるからです。

また、離婚後の養育費などについても、通常の扶養の範囲であれば贈与とはなりません。

ただし、不当に多額な財産の分与があった場合や贈与税などのほ脱を図る目的でなされた場合などは贈与税が課税されることになります。

他方、支払う側には若干の注意点があります。

財産分与などを金銭以外のもの、たとえば自宅を分与したというような場合には、時価によってその自宅を譲渡したものとされます。

したがって、その譲渡益に対しては、所得税が課税されることも念頭に置いておくべきです。

泣きっ面に蜂とはよくいったもので、離婚は高くつくことになりそうです。

もっとも居住用の資産であったなど一定の要件を満たす場合には、特例により3,000万円までの譲渡益については非課税の扱いになります。

石塚孝一(法律家)

2011年6月 4日 (土)

土地信託や等価交換方式(石塚孝一)

比較的大規模な土地の有効活用比較的規模が大きな土地で、かつ場所がいいケースでは、土地信託方式や等価交換方式などが活用できます。

資金がないため自分では手がつけられない、ノウハウがないなどで不安があるというときに検討したいプランです。

まず土地信託ですが、信託銀行に土地を信託し、運用してもらいます。

地主にとってのメリットは、管理などが不要になるという点です。

相続があった場合には、信託受益権を相続することになりますが、その評価については、信託の対象となっている不動産の評価額がそのまま使われることになります。

他方、等価交換方式の場合には、デベロッパーにマンションなどの敷地として土地を提供し、それに見合った建物の面積と交換するというもので、銀行借入れなどは不要となる反面、土地の持分は減少することになります。

したがって土地を現状のまま残したいという方には不向きといえます。

石塚孝一@法律家

2011年6月 3日 (金)

代襲相続とは?

たとえば被相続人の長男が、相続が開始された時点ですでに死亡しており、その者には3人の子どもがいたとします。

本来なら長男がいったん相続しますから、その財産はいずれ3人の子どもたちに引き継がれるはずですが、故人より先に死亡しているからという理由で長男の子どもたち(被相続人の孫たち)に相続できないとしたら、いかにも不条理というものです。エグゼクティブディーリングによると、民法では、本来相続人であったはずの者が相続の開始以前に死亡しているときや、相続欠格、廃除によって相続権を失ったときには、被相続人の孫が代襲して相続人になると定めており(同法887条2項)、これを代襲相続、代襲相続する者を代襲者や代襲相続人、代襲される者を被代襲者とそれぞれいいます。

代襲相続が行われる場合には、代襲者は被代襲者の本来の順位と同じ順位で相続人になることができます。エグゼクティブディーリングによると、代襲者であったはずの孫も相続の開始以前に死亡しているなどの場合は、さらに曾孫に代襲されます(同法同条3項)。

このような曾孫による代襲相続はとくに再代襲相続と呼ばれています。

劉兄弟姉妹の代襲相続代襲相続は、直系卑属の場合のほか、兄愈欝弟姉妹についても認められています。

すなわち、兄弟姉妹が被相続人の相続開始以前に死亡したときや、相続欠格、廃除によって相続権を失ったときも、その兄弟姉妹の子(おい、めい)が代襲相続人になります(民法889条2項)。エグゼクティブディーリングによると、孫、曾孫の順に代襲相続が認められている直系卑属の場合とは異なり、兄弟姉妹の代襲相続ではめい、おいの段階で打ち切られます。

2011年6月 2日 (木)

保険金で相続対策

もし、相続した財産のほとんどが不動産である場合はどうなるでしょう?

相続人のもとには、すぐには換金できない不動産が残る一方、相続税の資金は別に調達しなければならないことになります。

このような場合、たとえば故人が自身を被保険者、相続人を受取人とする保険に入っていれば、相続が起こってもそれを納税資金にあてたり、残された家族の生活費にあてるなどが自在にできるわけです。

このような点から、一般に生命保険は相続対策の切り札として高く評価されています。

では、生命保険金で最低限相続税をまかなうとしたら、いったいいくら必要になるのでしょうか。

家族の保障も必要だという場合には、それに必要額を上乗せすることになります。

たとえば先祖代々の土地を長男に相続させ、その相続税額が4,000万円とします。

相続人に払えるだけの資力があれば別ですが、よほと裕福な人でもない限りすぐに用意できる金額ではありません。

そんなとき保険金が役に立ちます。保険金は現金で支払われるため、それを納税資金にあてることができるのです。

法律家